なぜ「終活の最初の一歩」が一番むずかしいのか
終活という言葉は、テレビや新聞、インターネットでも頻繁に見かけるようになりました。
しかし、「興味はあるけど、何から始めればいいのか分からない」という人は非常に多いです。
60代の主婦・Aさんはこう話します。
「終活を始めようと思って、近所の本屋で『終活』の棚を見たんですが、本の数が多すぎて選べませんでした。ネットで調べても情報が断片的で、何から手をつけるべきか混乱しましたね。」
実際、終活は「やるべきこと」が多岐にわたり、優先順位も人によって異なります。
さらに、漠然とした不安や「死」というテーマに向き合う心理的ハードルも、行動を妨げる大きな要因です。
この記事では、そんな「終活 何から 始める」か迷っている初心者の方のために、終活 初心者 やること リストを網羅的にまとめました。
さらに、体験談・チェックリスト・統計データ・実践事例を交えて解説することで、「読むだけで行動に移せる」完全ガイドにしています。
終活とは?初心者がまず知っておくべき基礎知識
1. 終活の定義と目的
終活とは、人生の最終段階を迎える前に、自分の財産や身の回りを整理し、希望や意思を明確にしておく活動です。
単に「遺品整理の前倒し」というイメージを持たれがちですが、実際には以下のように幅広い内容が含まれます。
- 財産や重要書類の整理
- 医療・介護方針の明確化
- エンディングノートの作成
- デジタル遺品の管理
- 家族や友人へのメッセージ残し
最近では「死への準備」というよりも、「これからの人生をより自分らしく生きるための活動」というポジティブな意味合いで使われることが増えています。
2. 終活が必要とされる社会的背景
- 高齢化の進行
総務省統計局によれば、日本の65歳以上人口は2023年時点で29.1%に達し、過去最高を更新しています。高齢期の生活準備は避けて通れません。 - 単身世帯の増加
内閣府の調査によれば、65歳以上の単身世帯は2010年からの10年間で約1.5倍に増加。頼れる家族が近くにいない人が増えています。 - 相続トラブルの多発
東京家庭裁判所の統計では、遺産分割調停の件数は年間1万件を超えています。その多くが「準備不足」によるものです。
3. 始めるタイミング
「終活は70歳から」と思う人も多いですが、現実的には50代後半から60代前半の元気なうちに始めるのがおすすめです。
理由は以下の通りです。
- 判断力・体力があるうちに整理できる
- 定年退職後で時間が確保しやすい
- 突発的な病気や事故に備えられる
体験談として、55歳で終活を始めたBさんはこう語っています。
「最初は早すぎるかと思いましたが、体力のある今だからこそできたことが多かったです。年を取ると、家具を動かすのも一苦労になりますからね。」
終活は何から始める?初心者向け3つのステップ
終活初心者にとって最大の課題は、「何から手をつけるか」です。ここでは迷わず始められる3つのステップを紹介します。
ステップ1:現状を把握する
まずは「自分の全体像」を見える化します。
やるべきは、資産、健康状態、家族関係の3つの把握です。
チェックリスト例
- 銀行口座の数と残高は把握しているか?
- 不動産や土地の名義は整理されているか?
- 健康診断の結果や病歴は記録してあるか?
ステップ2:優先順位を決める
終活は一度に全部やろうとすると挫折します。
そこで「重要度」と「緊急度」で分類します。
例
- 相続トラブルの可能性が高い → 財産整理を優先
- 荷物が多く生活動線が不便 → 物の整理を優先
- 持病があり将来の医療不安が強い → 医療・介護希望を優先
ステップ3:小さく始める
1日10分、引き出し1つだけ整理する。
古い書類3枚を捨てる。
こうした「小さな成功体験」が継続の鍵です。
終活初心者のやることリスト
終活を始めたばかりの初心者にとっては、「何をすればいいのか」が最も大きな壁です。ここでは具体的なやることリストを、カテゴリごとに詳しく解説し、初心者でも迷わず着手できるようにします。
1. 身の回りの物の整理(断捨離)
ポイント
- 必要な物・不要な物を分ける
- 思い出の品は整理しつつも感情に流されすぎない
実践例
70代女性Dさんは「家中の本と衣類の断捨離を半年かけて実施。最初は捨てられなかったが、孫と一緒に作業することで進んだ」と話しています。
注意点
- 無理に急ぐと体力的に負担
- 家族に相談しながら進めるとトラブル防止に
チェックリスト
- 不要な服を季節ごとに分けたか?
- 壊れている家具は処分候補に入れたか?
- 思い出の品は写真に残したか?
2. 財産・重要書類の整理
ポイント
- 通帳、証券、不動産権利証、保険証券を一カ所にまとめる
- 財産目録を作成することが後のトラブル防止に繋がる
統計データ
日本弁護士連合会の調査によると、相続トラブルの70%は「財産や書類の整理不足」が原因とされています。
注意点
- 古い書類の保存期限を確認する(税務関係は7年が目安)
- デジタルデータのバックアップも忘れずに
3. 想い・記録の整理
ポイント
- 手紙やメッセージを整理
- アルバムや写真のデジタル化も推奨
体験談
Eさんは「亡くなった母が残してくれた手紙に助けられた。家族が気持ちを共有できて良かった」と振り返ります。
4. 医療・介護の希望を明確化
ポイント
- 延命治療の希望や介護施設の選択基準を記録
- かかりつけ医と相談し、意向書を作成するのが理想
注意点
- 家族と共有しておくことが重要
5. お金と相続の準備
ポイント
- 遺言書の作成、生命保険の受取人確認
- 相続税対策としての贈与も検討
6. デジタル遺品の整理
ポイント
- SNS、メール、ネット銀行のアカウント管理
- パスワードの一覧化と安全な保管
7. エンディングノートの作成
ポイント
- 遺言書とは違い法的拘束力はないが情報共有に効果的
- 書きやすい無料テンプレート利用が便利
エンディングノートの書き方と活用法
エンディングノートとは?
遺言書は法的に有効な文書ですが、エンディングノートは自分の希望や情報を家族に伝えるための非公式な文書です。法的拘束力はありませんが、医療や葬儀、財産のことなど細かく記載できます。
書くべき項目例
- 基本情報(氏名、生年月日、血液型など)
- 財産リスト(口座番号、保険番号など)
- 医療・介護の希望(延命治療、介護施設希望など)
- 葬儀・お墓の希望(家族葬、散骨など)
- メッセージ・感謝の言葉
活用法
- 定期的に見直し(年1回推奨)
- 信頼できる家族または代理人に保管を依頼
- 自治体配布の無料テンプレートも活用可能
体験談
東京都杉並区のFさんは、エンディングノートを活用し、親族間のトラブルを防いだ成功例があります。
物の整理から始める終活
断捨離のメリット
- 生活スペースが広がり快適に
- 探し物時間が減少
- 身体的負担の軽減(転倒リスク減少)
効率的な断捨離の方法
- 「いるもの」「迷うもの」「いらないもの」に分ける
- 迷うものは一時保留箱へ
- 思い出の品は写真で保存
実践事例
Gさんは毎日15分だけ断捨離に取り組み、半年で2トントラック1台分の不用品を処分。快適な生活に変わりました。
注意点
- 一度に全部やろうとしない
- 家族と協力して進める
チェックリスト
- 季節外の衣類は収納ケースにまとめたか?
- 壊れた物は廃棄リストに入れたか?
- 思い出品は写真や動画に残したか?
財産・相続の準備
財産目録作成
- 不動産、預貯金、有価証券、保険などを一覧に
- 相続税評価額も確認
遺言書の種類
- 自筆証書遺言(手軽だが不備リスクあり)
- 公正証書遺言(公証役場作成で安全)
- 秘密証書遺言(内容非公開)
トラブル事例
兄弟間の遺産争いは、口頭だけで決めた相続が原因のケースが多い。遺言書があれば回避できた可能性が高い。
専門家への相談
弁護士や司法書士、税理士などに早めに相談すると安心。
終活にかかる費用と節約術
費用の内訳
- 葬儀:平均120〜150万円(葬儀社アンケート)
- 墓石:50〜200万円(地域差あり)
- 生前整理:10〜50万円(業者依頼の場合)
節約ポイント
- 家族葬や直葬の選択
- 自治体の合同墓利用
- 不用品は売却で費用軽減
家族との話し合い方
話し合いのコツ
- リラックスできる場面を選ぶ(食事時など)
- 感情を押さえ、「希望を共有する」という姿勢で
- 難しい場合は第三者(専門家)に同席してもらう
反対された場合の対応
- 無理強いしない
- 時間を置いて再度話す
- 家族会議を開く
終活スケジュール例(1年間)
月ごとのタスク
月 | タスク内容 |
---|---|
1~3月 | 現状把握(財産・健康) |
4~6月 | 物品整理と書類整理 |
7~9月 | 医療・介護の希望検討 |
10~12月 | エンディングノート作成・家族共有 |
モチベーション維持法
- 進捗をノートに記録
- 小さな目標設定
- 家族や友人と進める
初心者がやりがちな失敗と回避策
失敗例
- 無計画に始めて途中で挫折
- 家族に何も伝えずトラブルに
- 情報を更新せず古くなる
回避策
- 明確なスケジュールを立てる
- 定期的に家族に共有
- 年に1回は情報を見直す
まとめ
終活は「人生の最終章」を自分らしく生きるための準備です。
「何から始めるか分からない」という初心者も、今回のやることリストや具体的な事例、チェックリストを参考にすれば着実に一歩を踏み出せます。
体調や気力があるうちに、少しずつ家族と協力しながら進めましょう。
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少しずつでよいので、やれることから始めるとよいです。焦らず自分のペースで進めていきましょう。