近年、台風やゲリラ豪雨の影響で「床下浸水」に悩まされる家庭が増えています。見た目はそれほど被害がないように思えても、放置すれば家の構造や健康に深刻な影響を与える可能性があります。
この記事では、床下浸水が起きたときにどう対処すればよいか、自分で掃除・乾燥・消毒する方法から、業者に依頼した場合の費用相場、さらに火災保険の活用方法まで、徹底的に解説します。
床下浸水とは?状況を正しく把握しよう
床下浸水の定義と原因
床下浸水とは、床下(基礎部分)に水が入り込んだ状態を指します。床上までは水が達していないため一見すると軽症に思えますが、湿気がこもりやすく、カビや腐敗、シロアリの発生など、後から大きな問題に発展するケースも少なくありません。
主な原因は以下の通りです:
- 大雨や台風による河川の氾濫・浸水
- 側溝の詰まりや排水不良
- 配管の破損・漏水
- 地盤の低さによる雨水の逆流
「床上浸水」との違い
床上浸水は、床面を超えて水が室内に流れ込む状態です。床下浸水と比べて被害が大きく、家具や家電などの家財が直接被害を受けるため、火災保険でも補償内容が異なります。
放置のリスクは甚大
床下に水が残ったまま放置すると…
- 木材や基礎の腐敗
- カビやダニの発生
- 建物の寿命の短縮
- 異臭や空気の悪化
- 健康被害(アレルギー・喘息)
こうした問題を防ぐには、早期の清掃と適切な対処が不可欠です。
床下浸水後、まずやるべき5つの初期対応
① 安全確保
まずは電気・ガスの元栓を止めて、安全を確保しましょう。水気のある状態で電気製品に触れるのは大変危険です。床下への立ち入り前に必ずブレーカーを落としてください。
② 床下の水位を確認
床下にどれくらいの水がたまっているのか、懐中電灯や点検口から確認します。可能であれば、被害の範囲を写真に収めておくと、保険申請時に役立ちます。
③ 損害状況の記録
- 写真(複数の角度で)
- 被害箇所のメモ
- 水が引いた後も含めて記録
これらは後述する火災保険の申請にも必要な資料となります。
④ 保険会社への連絡
火災保険・水災保険の補償範囲に床下浸水が含まれている場合、修繕費の一部または全額が補償される可能性があります。加入している保険会社に速やかに連絡を入れましょう。
⑤ 自力か業者依頼かの判断
水の量や汚れ具合、におい、乾燥のしやすさを踏まえ、以下のように判断しましょう。
状況 | 対処法の目安 |
---|---|
水が少量で清潔、排水しやすい | 自力対応可能 |
水が多い・泥が混じる・悪臭あり | 業者依頼が安心 |
【自力でやる方向け】床下浸水の清掃・乾燥・消毒の方法
必要な道具・装備
- バケツや雑巾
- ゴム手袋・長靴・マスク
- 塩素系漂白剤(ハイターなど)
- 送風機・サーキュレーター・除湿機
- 懐中電灯・ヘッドライト
- 掃除用ブラシ
ステップ① 水の排出
- まずは床下点検口からバケツやポンプで水をかき出します。
- 水中ポンプがあると効率的です。
- 小規模ならスポンジや雑巾でも対応可能。
ステップ② 泥・ゴミの除去
水が引いた後も、泥や砂利、ゴミが床下に堆積している場合があります。放置すれば悪臭やカビの原因になるため、しっかり取り除きましょう。
ステップ③ 消毒作業
塩素系漂白剤を希釈して床下全体に散布します。消毒液をスプレーボトルやジョウロでかけ、殺菌・除菌を徹底します。必ず換気し、マスクとゴム手袋を着用してください。
ステップ④ 乾燥作業
- 床下に送風機・サーキュレーターを設置
- 晴れた日は点検口を開放して換気
- 除湿機も効果的(床下が密閉されている場合)
乾燥には数日〜1週間程度かかることもあります。湿度が高いままだとカビが発生しやすくなるため、根気強く行いましょう。
放置すると危険!床下浸水で起こる深刻な問題
- 木材の腐敗・カビ:見えない場所で進行し、気づいたときには床がふかふかに…
- 悪臭の発生:湿気と有機物が混じることで、鼻をつくにおいが残ります。
- シロアリ被害:湿った木材を好むシロアリが繁殖し、基礎を食い荒らします。
- 健康被害:カビや菌が空気中に舞い、アレルギーや喘息を悪化させることも。
業者に依頼する場合の費用と流れ
業者に依頼した場合の費用相場
被害の程度 | 料金目安 |
---|---|
軽度(泥なし、乾燥中心) | 約5万~10万円 |
中度(泥・カビ除去あり) | 約10万~20万円 |
重度(水害・カビ・乾燥大規模) | 約20万~40万円以上 |
業者の作業内容
- 床下点検と被害状況の確認
- 水の吸引・汚泥除去
- 消毒・防カビ処理
- 床下換気・乾燥作業
- 再点検・報告書提出
業者選びのポイント
- 床下専門 or 水害に強い業者を選ぶ
- 見積が明確で追加料金なし
- 火災保険に詳しいスタッフがいると安心
火災保険で床下浸水の修理費用は出る?
多くの火災保険では「水災」特約をつけていれば、床下浸水にも対応します。ただし…
保険適用の条件例
- 床下浸水の原因が自然災害(台風・大雨など)
- 修理費用が一定額を超える(20万円以上など)
保険申請に必要なもの
- 被害写真(浸水の様子、作業前後)
- 修理費用の見積書と領収書
- 保険証券と申請書類
床下カビ・シロアリ・臭いの再発を防ぐには
- カビ対策:乾燥後に防カビスプレーを散布
- 臭い対策:消臭剤+木炭・重曹などで対応
- シロアリ防除:予防処置を業者に依頼
- 床下換気口の設置:湿気を外に逃がす
実際の体験談・ケーススタディ
自力で対応した方の例
「水の量が少なかったのでポンプで排出。風通しを良くして送風機を回し続け、なんとかカビを防げました」
業者に頼んだケース
「泥がすごくて自力では無理…。業者に頼んで2日で乾燥完了。補助金の相談にも乗ってくれた」
放置して後悔した例
「面倒で数日放っておいたら、床下にカビ臭が残り、後から結局業者を呼ぶ羽目に…早めの対応が本当に大事」
浸水予防のためにできること
- 排水溝・雨どいの定期清掃
- 地盤の高さ調整・かさ上げ
- 床下換気システムの導入
- 浸水リスクの高い地域では水害保険も検討
まとめ|迷ったらすぐ対応を。家と健康を守るために
床下浸水は、見えにくい部分だからこそ放置が危険。初期対応から乾燥・消毒・予防まで、正しい知識と行動が家を守ります。
- 少量なら自力対応も可能
- 被害が大きければ業者依頼が確実
- 火災保険の活用も忘れずに
▶無料で見積もりを取って、専門業者に相談してみるのも一つの手です。
床下浸水の清掃でお困りの方へ
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