はじめに:なぜ「遺品整理のサービス内容」を理解しておくべきか
遺品整理は、大切な人を亡くした後に残された家財や思い出の品を整理し、住まいを片づける作業です。しかし実際に取り組もうとすると、想像以上に労力がかかり、精神的な負担も大きいもの。そこで多くの人が頼りにするのが「遺品整理業者」です。
ただし、業者に依頼すればすべて任せられると思っている方も少なくありません。実際には、基本料金に含まれるサービスと、別途料金が必要なオプションサービスが存在します。依頼前にその違いを理解しておかないと、「思っていた作業が含まれていなかった」「追加費用がかさんでしまった」という失敗につながりかねません。
この記事では、遺品整理業者のサービス内容を徹底的に解説します。基本的な作業、追加料金が必要なケース、特殊なサービス、依頼前に確認すべきポイントまで網羅し、初めて遺品整理を依頼する人でも安心して進められるようにまとめました。
遺品整理業者の基本サービス内容
まずは、ほとんどの遺品整理業者が提供している「基本サービス」から見ていきましょう。多くの業者は以下の作業を基本料金に含めています。
仕分け作業
遺品整理の中心となるのが「仕分け作業」です。
- 貴重品・思い出の品(写真・手紙・位牌など)
- まだ使える家具や家電(買取可能な場合もある)
- 処分すべき不用品(壊れた家具・衣類など)
仕分けの精度は業者によって差が出る部分であり、「丁寧に探してもらえるか」「処分と保管をしっかり分けてくれるか」が依頼者にとって重要なポイントになります。
遺品の搬出・運搬
仕分け後は、不用品や大型家具を家の外へ搬出し、トラックで処分場やリサイクル施設まで運搬します。
- 大型冷蔵庫やタンスなどの重量物も対応可能
- 搬出経路の養生(壁や床を傷つけない保護作業)
- 階段や狭い通路の運搬も業者のノウハウで対応
個人で行うと大きな負担になる作業を任せられる点は、遺品整理業者を利用する最大のメリットのひとつです。
不用品の処分
遺品整理業者は、一般廃棄物収集運搬の許可を持つ業者、または提携する許可業者を通じて適切に処分します。粗大ごみや一般ごみを一括で処理できるため、依頼者が自治体ごとの分別や収集日に合わせる手間を省けます。
室内清掃(簡易清掃)
整理後は、ほうき・掃除機を使った簡単な清掃を行う業者が多いです。
- 床の掃除
- ほこりやゴミの除去
- 窓の簡単な拭き掃除
ハウスクリーニングほど本格的ではありませんが、片づけ後の部屋をすぐに使える程度に整えてくれます。
基本料金に含まれないオプションサービス
遺品整理業者の見積もりで注意すべきなのが、「追加費用が発生するサービス」です。代表的なオプションを整理してみましょう。
🔎 基本料金とオプションの比較表
作業内容 | 基本料金に含まれる | オプション扱いになるケース | 補足説明 |
---|---|---|---|
遺品の仕分け | ✅ 含まれる | ❌ ただし細かい仕分け(アルバム整理など)は別料金の場合あり | 貴重品・不用品・思い出の品の分類 |
搬出・運搬 | ✅ 含まれる | ❌ 階段作業・2階以上・特殊搬出は追加料金になることあり | 大型家具・家電の搬出対応 |
不用品処分 | ✅ 含まれる | ❌ 一部の特殊品目(耐火金庫、ピアノ、危険物など)は別料金 | 許可業者を通して処分 |
室内清掃 | ✅ 簡易清掃は含まれる | ❌ 本格的なハウスクリーニングは別料金 | 掃き掃除・掃除機掛け程度 |
ハウスクリーニング | ❌ 含まれない | ✅ キッチン・浴室・トイレなど徹底清掃はオプション | 売却・賃貸前に利用されることが多い |
特殊清掃 | ❌ 含まれない | ✅ 孤独死・事故物件の場合に必要 | 消臭・除菌・体液痕の除去など |
供養・お焚き上げ | ❌ 含まれない | ✅ 仏壇・位牌・遺影・人形などを供養する場合 | 僧侶による読経やお焚き上げを依頼可能 |
買取サービス | ❌ 基本料金には含まれない | ✅ 査定後、買取が成立すれば処分費用軽減 | 家具・家電・骨董品など |
家屋解体・リフォーム | ❌ 含まれない | ✅ 希望があれば追加依頼 | 空き家となる場合に利用されることが多い |
遺品整理業者のサービス範囲を理解するメリット
費用トラブルを避けられる
「基本料金に含まれると思っていた作業が実はオプションだった」という誤解がもっとも多いトラブルです。事前にサービス内容を把握すれば、余計な追加費用を回避できます。
自分でやる部分を決められる
- 業者に仕分けを任せるか、自分たちで済ませてから搬出だけ依頼するか
- 清掃は業者に頼むか、自分でやるか
内容を理解していれば、家族で分担する部分と業者に任せる部分を切り分けやすくなります。
信頼できる業者選びに役立つ
「見積もり時に説明が曖昧」「サービス内容を詳しく教えてくれない」という業者は要注意。事前に知識を持っていると、誠実な業者を見極めやすくなります。
遺品整理の作業の流れ
サービス内容を知るには、実際の作業の流れを理解することが大切です。
- 問い合わせ・相談
- 電話・メールで現状を伝える
- 料金体系やサービス概要を確認
- 現地見積もり
- 荷物量や間取りをチェック
- 基本サービスとオプションを区別して提示
- 契約・日程調整
- 見積書を確認し契約
- 作業日を決定
- 作業開始
- 仕分け → 搬出 → 処分
- 必要に応じて供養や買取も同時に実施
- 清掃・最終確認
- 室内の簡易清掃
- 依頼者が現場を確認し完了
依頼前に確認すべきチェックポイント
見積もりの内訳が明確か
- 作業人員数
- 搬出費用
- オプション料金の有無
追加料金の条件
階段作業・特殊清掃・遠方搬出など、想定外の費用が発生しやすい部分を必ず確認。
許可・資格の有無
- 一般廃棄物収集運搬許可
- 古物商許可(買取する場合)
- 遺品整理士の資格
まとめ
遺品整理業者のサービス内容は、大きく分けて以下のように整理できます。
- 基本料金に含まれる作業:仕分け・搬出・処分・簡易清掃
- オプションサービス:ハウスクリーニング、特殊清掃、供養、買取、解体・リフォームなど
- 理解するメリット:費用トラブルを防ぎ、自分に合った依頼方法や業者を選びやすくなる
「どこまで任せたいのか」を明確にし、見積もり時にサービス内容をしっかり確認することが、納得のいく遺品整理につながります。
第1回は遺品整理業者のサービス内容についてでした。もっと詳しく知りたいという方は、以下のページからお問合せください。
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