はじめに|その石灯籠、どうやって処分する?
「実家の庭に古い石灯籠があるけど、どうやって処分すればいいの?」
「業者に頼むべき?でも費用が高そうだし…」
「粗大ごみで出せる?それとも供養が必要?」
このように、庭に残された石灯籠の“処分の仕方”で悩む人が近年増えています。
実際に、相続や空き家の整理、リフォーム時に問題となるのが「庭にある石の構造物」—なかでも重量があり、宗教的な意味合いも含まれる石灯籠は扱いが難しい部類に入ります。
本記事では、そんな「石灯籠の捨て方」について、
- 自治体で処分できるケース
- 業者に依頼する際の費用相場
- 宗教的に供養が必要なパターン
- トラブルを避けるための注意点
などを網羅的に解説していきます。
「とにかく早く・安全に・トラブルなく処分したい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 石灯籠は「ゴミ」ではない?処分前に知っておくべき基礎知識
石灯籠とは?構造と素材の基本を知ろう
石灯籠とは、もともとは寺院や神社などに設置される照明具の一種です。日本庭園や墓地などにも設置され、装飾や信仰の対象となることもあります。
石灯籠の主な構造は以下のように分かれます。
部位名 | 概要 |
---|---|
笠(かさ) | 上部の屋根部分。雨を防ぐ意味合い。 |
火袋(ひぶくろ) | 光を灯す場所。かつては灯明が灯された。 |
竿(さお) | 火袋と基礎を支える支柱。 |
基礎石 | 最下部の土台。設置面に接する重要部分。 |
また、材質にも種類があります。
- 御影石(みかげいし)製:重くて硬く、耐久性が高い。処分は困難。
- 砂岩製:風化しやすいが、加工しやすい。軽量な場合もある。
- セメント製・人工石:近年の一般住宅庭園に多い。
処分時には、この「材質」「構造」「大きさ(重さ)」が重要になります。
捨てる前に確認すべき3つのチェックポイント
- 私有地か?公共スペースか?
→ 石灯籠の設置場所が個人の敷地かどうかをまず確認。敷地外なら処分できません。 - 宗教的価値があるか?
→ 石灯籠の中には、仏具や墓前用の灯籠として設置されているものもあり、勝手に処分するとトラブルになる可能性も。 - 自力で運べるか?
→ 処分方法の選択肢は「動かせるかどうか」で大きく変わります。1つで100kgを超える場合も珍しくありません。
2. 石灯籠の主な捨て方5選【目的・状況別】
① 自治体の粗大ゴミとして処分(対応地域に限る)
意外と知られていませんが、一部の自治体では石灯籠を粗大ごみとして受け入れている場合があります。
▷ 自治体で処分できるかの確認方法
- 市役所または清掃センターに電話・またはHPで「石製品」「灯籠」で検索
- 「持ち込み専用」「事前予約制」などの条件がある場合も
▷ メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
処分費が安い(数百円〜1,000円程度) | 自力で運べないと無理 |
公式な手続きで安心 | 対応していない自治体も多い |
例:東京都世田谷区では石灯籠は「収集不可」と明記されており、業者依頼が必須です。
② 不用品回収業者に依頼(即日対応も可能)
自力で運べない石灯籠は、不用品回収業者への依頼が現実的な選択肢です。
▷ 業者選びのポイント
- 産業廃棄物収集運搬業の許可があるか?
- 見積もり時に「追加料金なし」の明示があるか?
- 古物商・一般廃棄物処理業などの許認可を持っているか?
▷ 費用の目安
- 小型(高さ50cm未満)…8,000〜15,000円程度
- 中型(高さ50〜100cm)…15,000〜25,000円
- 大型(高さ100cm以上)…30,000円以上になるケースも
▷ メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
自分で運ぶ必要なし | 費用が高めになりがち |
即日対応可能 | 業者によって品質に差 |
③ 解体・外構業者に依頼(庭の片付けと一緒に)
「庭の改装をしたい」「外構を一新したい」場合、外構工事を請け負う業者に石灯籠の撤去もセットで頼むと効率的です。
▷ 特徴
- 重機を使って撤去・積み込みまでワンストップ対応
- 石灯籠以外の「庭石・植栽・コンクリート」などもまとめて処理可能
▷ 費用相場
- 小規模の撤去:2万〜4万円
- 複数個や庭石も含む場合:5万〜10万円以上
▷ 向いている人
- 大掛かりな庭の整理・リフォームを検討している方
- 複数の石構造物がある方
④ 寺社での供養・お焚き上げをしてから処分
宗教的な意味合いを持つ石灯籠、特に墓前や仏具として設置された灯籠には供養を必要とする場合があります。
▷ 供養が推奨される灯籠の特徴
- 納骨堂や墓地内に設置されていたもの
- 故人の記念碑的な意味合いを持つ場合
- 火袋に仏像や宗教的な彫刻が施されている
▷ 供養の方法と流れ
- 寺院や神社に問い合わせる(地域密着型が多い)
- 灯籠の写真・設置状況を伝える
- 供養費(読経・お焚き上げ)を支払う
- お清めや読経ののち、処分
▷ 供養料の目安
- お焚き上げのみ:5,000〜10,000円
- 読経+撤去費用込み:2万〜3万円以上になることも
⑤ 石材店・造園業者に相談する方法
地域の石材店や造園業者では、石灯籠の引き取り・撤去を行ってくれる場合があります。
▷ メリット
- 業界知識があり、安全に分解・撤去してくれる
- 状態がよければリユースされることもある
▷ 注意点
- 引き取りを断られるケースもある(宗教的意味がある場合など)
- 搬出費用や運搬費が高くなることも
3. 名古屋など都市部での石灯籠処分の特殊事情
名古屋市での石灯籠処分はどうすればいい?
名古屋市のような都市部では、一般ごみ・粗大ごみのルールが厳格に決められており、「石製品」の扱いに関しても基本的に回収不可とされています。
▷ 名古屋市の公式ルール(2025年時点)
名古屋市公式サイトでは、「石材・コンクリート製のもの」は粗大ごみとして収集されず、専門業者による処理が必要と明記されています。
例:石灯籠・庭石・レンガ・コンクリートブロック等は「産業廃棄物に準ずる」と判断されるケース多数。
▷ 名古屋で対応してくれる業者の探し方
- 「石灯籠 処分 名古屋」などのキーワードで検索
- 「遺品整理」「外構工事」「造園」「産廃業者」なども候補に
- Googleマップや口コミで対応実績を確認
▷ 名古屋での費用目安
- 一般的な石灯籠1基:15,000〜30,000円
- 解体・運搬・処分込みパック:40,000円以上もあり得る
▷ 注意点
名古屋市は不法投棄への監視も厳しく、庭に埋めて隠す・空き地へ放置などの違法行為は5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金の対象になる可能性もあります。
4. 無料で処分する方法はある?リユース・譲渡という選択肢
「できればお金をかけたくない」という人にとって、無料での処分方法を模索するのも選択肢のひとつです。
① メルカリ・ジモティーで譲渡する
意外なことに、和風庭園ブームや古民家再生の流行により、石灯籠の需要はまだあります。
▷ 売却・譲渡時のポイント
- 状態の良いもの(割れ・欠けがない)が好まれる
- 取りに来てくれる人限定で出品する(配送は不可)
- 写真は必ず「全体」「寸法」「傷の有無」を載せる
▷ よく使われるプラットフォーム
- メルカリ
- ジモティー
- ヤフオク(落札者が法人・造園業者の場合も)
▷ デメリット
- 売れるまで時間がかかる
- 搬出を依頼者自身で行う必要がある
- トラブル防止のため、契約内容を明確にしておく必要あり
5. 石灯籠を処分するときの注意点5つ
① 勝手に処分してはいけないケースがある
たとえば…
- 故人が信仰的な目的で設置したもの
- 親族間で「処分に同意が取れていない」
- 墓地や寺社の敷地にある灯籠
このような場合、勝手に撤去・処分すると親族トラブルや宗教的な問題を引き起こす可能性があります。
② 不法投棄は絶対NG
庭石や灯籠を山林・河川・空き地などに放置する行為は違法です。発覚した場合、
- 廃棄物処理法違反(5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金)
- 地主からの損害賠償請求
- 警察による事情聴取
といった深刻な事態を招く恐れがあります。
③ 複数の業者に相見積もりを取る
石灯籠の処分費用は業者によって大きく異なるため、相見積もりは必須です。
- 処分費+人件費+重機代などが含まれるため、1万円単位で差が出ることも
- 「追加費用がないか」「運搬・解体は含まれているか」を必ず確認
④ 処分証明書が必要なケースもある
法人所有の不動産、賃貸物件の明け渡し、売買契約が絡む場合などは「処分証明書」が求められるケースがあります。
- 業者に事前確認し、発行可能かどうかチェック
- 法的トラブル回避のためにも、証拠書類は残しておくと安心
⑤ 雨天・地面の状況に注意
石灯籠は重く、滑りやすいため搬出時の事故や地盤沈下のリスクもあります。
- 撤去前に足元の整備を行う
- 業者任せにせず、立ち会って状況を確認
6. よくあるQ&A|石灯籠の処分に関する疑問に答えます
- 石灯籠を庭に埋めても問題ありませんか?
-
原則としてNGです。埋めても分解・風化しないため、後の土地売却・造成の際に障害となります。また、不法埋設と見なされる可能性も。
- 石灯籠に価値はある?買い取ってもらえる?
-
【答え】基本的には買い取りは困難ですが、「伝統工芸品」「希少な石材を使ったもの」などはまれに取引されることもあります。
- 知識のある骨董商・造園業者に鑑定を依頼してみましょう。
- 家の解体と一緒に処分できますか?
-
はい、できます。解体業者に一括で依頼することで、費用をまとめられるメリットも。ただし、事前に「庭の石灯籠も対象に含まれているか」を確認しておきましょう。
まとめ|処分に迷ったら、まずは専門業者へ相談しよう
石灯籠はただの石ではありません。その歴史的・宗教的背景、重量や材質によって、処分方法が大きく変わります。
本記事のポイントをおさらいします。
- 自治体では基本的に回収不可。対応していればラッキー
- 業者に依頼する場合は相見積もりが必須
- 宗教的意味がある場合は供養も検討
- 名古屋のような都市部ではルールに特に注意
- 処分だけでなく、リユースや譲渡も視野に入れる
「どうしても判断できない…」
そんなときは、石灯籠に対応した実績のある専門業者に相談するのが最善です。
石灯籠の処分に困っている方へ
「処分と言っても何からやればよい…」「処分には費用はどのくらいかかる…」など気になることは以下のページからお問合せください。
手間もトラブルも少なく、スムーズに庭をすっきりと片づけるために、精一杯お手伝いさせて頂きます。