はじめに
庭の木を伐採したあと、「これ、どうやって処分すればいいの?」と悩んでいませんか?枝や葉はゴミ袋に入れて出せたとしても、大きな幹や太い枝は簡単には処分できません。しかも自治体によっては、伐採木を粗大ごみとして出すことすらできず、「残置物」として扱われるケースも。
伐採した木を放置しておくと、虫がわいたり景観が損なわれたりするだけでなく、近隣トラブルや法律的な問題に発展する可能性もあるのです。
本記事では、伐採後の木の具体的な処分方法を、自力・業者依頼の両面から徹底解説。費用相場、リスク、地域ごとのルール、業者の選び方まで網羅しています。「伐採木の処分」で迷っているなら、この記事を読めばもう大丈夫です。
なぜ伐採後の木の処分に困るのか?
伐採後の木は「普通ゴミ」では出せない
多くの自治体では、ごみ出しルールに明確な制限があります。枝葉などの細かい部分であれば「可燃ごみ」や「剪定ゴミ」として扱われることが多いですが、幹や太い枝などの大きな木材は「粗大ごみ」とも扱われず、自治体の通常収集では受け付けてくれません。
たとえば名古屋市では、直径10cm以上の幹や長さ50cm以上の木材は回収不可。東京都23区の多くでも、家庭ごみとしての処理はできず、民間業者への依頼が推奨されています。
そのまま放置すると「残置物」扱いになる可能性
伐採後の木を庭や敷地内にそのまま置いておくと、民法上の「動産」として、処分義務が生じることがあります。空き家などで所有者不明のまま放置されていると「残置物」と見なされ、不動産の売却・賃貸時にトラブルになることも。
実際に、相続した家に伐採木が山積みで残されており、業者による撤去に数十万円かかったという事例もあります。
虫害・腐敗・近隣トラブルの原因にも
木材は屋外に放置すると湿気を吸収し、やがて腐敗します。その結果、シロアリ・ムカデ・ハチなどの害虫が発生しやすくなり、家庭内にも侵入する危険性が高まります。また、風で倒れたり、運搬中に隣家の敷地に倒れ込んでしまったりと、予期せぬトラブルのもとに。
景観面でも美しくなく、住宅の資産価値にマイナスとなることもあるため、早めの処分が重要です。
伐採後の木の処分方法は主に5つ
自力で切断し、一般ごみとして処分する
小規模な伐採であれば、チェーンソーやノコギリを使って木材を細かく裁断し、市区町村の可燃ごみ・剪定ゴミとして出すことが可能です。一般的には「長さ30〜50cm以下」「直径10cm未満」「束ねること」が条件になります。
しかし、大量の木材を手作業で切断するのは非常に重労働で、工具の扱いにも注意が必要です。チェーンソーは特に事故が多く、未経験者の使用は推奨されません。
クリーンセンター・焼却場へ直接持ち込む
自治体によっては、剪定ゴミや木材を直接クリーンセンターに持ち込む制度があります。持ち込みには事前予約が必要なことが多く、軽トラなどの車両が必要です。
例えば、名古屋市では市内の焼却工場に剪定ゴミを持ち込むことが可能で、10kgあたり数十円の処理手数料がかかります。事前にHPや電話で受付のルールを確認しておくことが大切です。
伐採・回収業者にまとめて依頼する
最も手間がかからないのが、専門の業者への依頼です。「伐採+処分」がセットになっている業者もあれば、「処分のみ」を請け負ってくれる不用品回収業者も存在します。
幹の太さ、量、運び出し経路などで費用が大きく変動しますが、相見積もりを取ることで適正価格が見えてきます。最近はLINEで写真を送るだけで概算見積もりが取れる業者もあり、便利になっています。
剪定業者・庭師による「処分込み作業」
もし定期的に庭の手入れをしているなら、剪定業者や庭師に「処分まで込みでお願い」する方法もあります。手間も少なく、剪定後すぐに回収してもらえるため、庭が常にきれいな状態を保てます。
ただし、伐採量が多いと追加費用がかかることもあるので、見積もり段階で「処分費用込みか?」を確認しておきましょう。
木材リサイクル・マッチングサービスを利用する
DIYや薪ストーブを趣味とする人に人気なのが「伐採木の再利用」。メルカリ・ジモティー・TwitterなどのSNSを通じて譲渡する人も増えています。
ただし、持ち運びや積み込みの手間、搬出経路の確保、トラブル時の対応を考えると、初心者には少々ハードルが高い方法といえます。
【図解あり】あなたの木に最適な処分方法フローチャート
伐採後の木の処分方法に迷っている方のために、簡単なフローチャートをご用意しました。以下の質問に答えていけば、あなたに合った処分法が見つかります。
- 処分する木は直径10cm未満で長さも50cm以下ですか?
- →【はい】→ 自力で可燃ゴミまたは剪定ゴミとして出せます
- →【いいえ】→ 次の質問へ
- 軽トラックなどで運搬できますか?
- →【はい】→ クリーンセンターへの持ち込みが可能
- →【いいえ】→ 次の質問へ
- 木の量が少量(1本〜2本)で、屋外に出しやすい場所にありますか?
- →【はい】→ 不用品回収業者に処分のみ依頼可能
- →【いいえ】→ 伐採・回収業者にまとめて依頼しましょう
このフローチャートにより、ご自身の状況に最適な処分手段が明確になります。
処分費用の相場と内訳
伐採後の木を処分する際、費用は方法によって大きく異なります。以下に、代表的な処分方法の費用相場をまとめます。
自力処分にかかる費用
- チェーンソー(電動)購入費:約1万〜3万円
- 作業用手袋・ゴーグルなど安全具:3,000円程度
- ごみ処分の袋やヒモ類:数百円〜1,000円程度
- クリーンセンター持ち込み:10kgあたり50〜100円(自治体により異なる)
合計で1〜4万円程度が目安。ただし、工具をすでに持っていれば費用は抑えられます。
不用品回収業者に依頼した場合
- 軽トラック1台分:15,000円〜30,000円程度
- 幹が太い場合や階段作業などがあると追加料金発生
- 出張費やスタッフ人数によって変動あり
伐採+処分を業者に依頼した場合
- 小規模(1本〜2本の庭木):20,000円〜50,000円
- 中規模(5m〜10m程度の木):50,000円〜100,000円
- 大規模(複数本、特殊作業含む):10万円以上
伐採と運搬、処分、後片付けまですべて込みで依頼する場合は高額になりますが、手間を大幅に減らせます。
処分費を抑えるコツ
- 複数の業者で相見積もりを取る
- 写真で事前に状態を共有する
- 他の不用品とまとめて依頼する
同じ量の木材でも、業者の手配方法や作業環境で大きく価格差が出るため、見積もりは複数取りましょう。
業者を選ぶときのポイント
処分を業者に依頼する際は、以下の点を確認することでトラブルを防げます。
一般廃棄物収集運搬の許可を持っているか
木の処分を合法的に行うには「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。無許可業者に依頼すると、不法投棄などのトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
見積もりが明確か
追加費用の有無、作業範囲、キャンセル時の扱いなどを明記した見積書を提示してくれる業者を選びましょう。曖昧な説明しかない場合は避けるべきです。
地元密着かつ評判が良いか
Googleマップの口コミや地域の掲示板などを参考に、評判の良い業者を探しましょう。地元密着の業者は土地勘があり、柔軟な対応をしてくれることが多いです。
追加で剪定や整地も頼めるか
処分だけでなく、剪定や整地、伐根などをまとめて依頼できると、庭全体をスッキリさせることができます。まとめて頼めば割引になることも。
処分前に確認したい法律・ルール
自治体の処分ルールを確認
処分方法や持ち込み可能な木材のサイズ・量は、自治体ごとに大きく異なります。必ず役所のホームページや電話窓口で最新情報を確認しましょう。
私有地の越境・境界トラブルに注意
伐採木が隣家の敷地に越境していた場合、勝手に処分するとトラブルになることも。境界が不明なときは、事前に専門家に確認してもらうと安心です。
空き家・相続物件では所有権確認を
相続した物件の敷地内に伐採木がある場合、「誰が処分費を払うか」が問題になることがあります。相続放棄や名義変更前でも所有者責任が問われる可能性があるため、早めの対応が肝心です。
実際の処分事例とユーザーの声
事例①:空き家の庭木5本を伐採・処分(東京都)
相続した実家の庭に、高さ3〜5mの木が5本放置されていたケース。伐採と処分を専門業者に依頼し、費用は約15万円。虫がわく前に依頼できて安心したとの声。
事例②:自力で切断してクリーンセンターへ(大阪府)
1本だけ切った庭木(幹直径8cm)を、ノコギリで30cmに切断し、車で焼却場に持ち込んだ例。体力的に大変だったが、費用は数百円で済んだとのこと。
事例③:ジモティーで薪として引き取り手を探す(新潟県)
焚き木として使いたい人が見つかり、引き取りに来てもらったケース。費用はゼロで、地域の繋がりもできたというメリットも。
まとめ|伐採後の木は放置せず、状況に合った方法ですぐ処分を
伐採後の木の処分は、「重くて動かせない」「ごみに出せない」「費用が読めない」といった悩みがつきものです。しかし、自力処分・持ち込み・業者依頼など選択肢を理解すれば、必ず自分に合った方法が見つかります。
大切なのは、放置しないこと。放っておくと害虫や腐敗だけでなく、近隣トラブルや相続問題にもつながりかねません。
この記事を参考に、最適な方法で早めに処分し、スッキリした庭を取り戻しましょう。
伐採木の残置物にお困りの方へ
伐採後の木をどのように処理・処分したらよいか分からない、というお問合せを頂くことがよくあります。そのような気になることは以下のページからお問合せください。
放置をすることによるリスクは大きいです。まずはお気軽にご相談ください。