【例文・一覧付き】エンディングノートの書くべきことと書き方完全ガイド

エンディングノートという言葉を聞いたことはあるけれど、いざ自分で書こうと思うと「何を書いたらいいの?」「書き方がわからない」と手が止まってしまう方は多いのではないでしょうか。終活の一環として注目されるエンディングノートですが、正式なルールや決まった形式があるわけではないため、自由な分、戸惑ってしまうのも無理はありません。

しかし、エンディングノートにはあなたの想いや、万一のときに家族に役立つ情報をまとめておけるという大きなメリットがあります。財産のこと、医療や介護の希望、葬儀についての考え、さらには大切な人へのメッセージまで、自由に思いを綴ることができるのです。

本記事では、エンディングノートの基本から書くべき内容の一覧、実際に書ける例文、テンプレートの紹介まで、初めての方でも安心して書き始められるように、わかりやすく解説します。記事を読み終わる頃には「これなら書けるかも」と思えるはずです。

目次

エンディングノートとは?目的と役割

エンディングノートの基本定義と目的

エンディングノートとは、自分の人生の最終章を自分の手で記録し、家族や周囲の人に伝えるためのノートです。具体的には、自分の身の回りの情報、財産、医療の希望、葬儀に関すること、家族へのメッセージなどを記載します。

遺言書とは違い、法的効力はありませんが、その分、自由に自分の思いや考えを表現することができ、形式に縛られずに書くことができます。

エンディングノートを書くメリット

  1. 家族にとっての負担軽減
  2. 相続や財産トラブルを防げる
  3. 医療・延命治療の意思表示ができる
  4. 残された家族への感謝の気持ちを伝えられる

遺言書との違い

エンディングノート遺言書
法的効力なし法的効力あり
自由な記述形式法的要件を満たす必要あり
思いや希望を書ける財産分与などを明確に記載

両方を併用することで、より充実した終活になります。

エンディングノートに書くべきこと一覧

以下は、エンディングノートに書くべき主な項目です。一覧表で整理しました。

項目カテゴリ内容の具体例
基本情報氏名、住所、連絡先、生年月日、家族構成
財産関係銀行口座、不動産、保険、ローン・借入金、有価証券など
医療・介護延命治療の可否、かかりつけ病院、介護施設の希望、持病の記録
葬儀・お墓宗教の希望、式の形式、希望する葬儀社、納骨場所など
相続・遺産特定の人に伝えたい財産、相続の方向性、遺言書の有無
デジタル遺品SNS、ネット銀行、サブスクサービス、ログイン情報
ペット引き取り先の希望、日常の世話の方法、通院歴など
メッセージ家族や友人への感謝の言葉、人生の振り返り

見落としがちな重要項目

  • クレジットカードや契約中サービス(プロバイダ、スマホなど)
  • 負債や借金の詳細
  • 緊急連絡先や保険証の場所
  • 写真や大切な思い出の保管場所

エンディングノートの正しい書き方ガイド

用意するもの

  • 市販のエンディングノート(文具店や書店で入手可)
  • 無料テンプレート(後述)
  • 筆記用具・印鑑・コピー機

手書き or デジタル?

手書きの特徴デジタルの特徴
思いが伝わる編集・保存が簡単
紛失しやすいパスワード管理が必要
修正に時間がかかる修正・バックアップが容易

どちらも一長一短があるため、目的に応じて使い分けるのがベストです。

書き進める順番のおすすめ

STEP
基本情報

まずは自分のプロフィールや連絡先、家族構成など、すぐに書ける情報から始めることで、スムーズに書き進めやすくなります。

STEP
医療・介護の希望

延命治療や介護の方針といった意思決定は、非常時に重要な判断材料になるため、早い段階で記入するのがおすすめです。

STEP
財産・相続

資産や負債に関する情報をまとめることで、相続時の混乱を防ぐことができます。リスト化しておくと家族が助かります。

STEP
葬儀・お墓

葬儀の形式や希望するお墓については、家族の精神的負担を軽減する意味でも、具体的に残しておくとよいでしょう。

STEP
デジタル遺品・契約情報

SNSやネットサービスのログイン情報、解約が必要な契約などは見落とされがちなので、忘れず記載しておきましょう。

STEP
メッセージ

最後に、家族や大切な人へのメッセージを書くことで、心のこもった締めくくりになります。書いているうちに気持ちの整理にもつながります。

更新のタイミング

  • 年に1回の見直し
  • 退職、転居、病気などライフイベント時
  • 内容が変わったときは必ず書き換え

【例文付き】各項目の記入例と解説

医療・介護

「私は、尊厳死を望みます。延命治療よりも自然に人生を終えることを希望します。かかりつけ医は◯◯クリニックの◯◯先生です。」

葬儀の希望

「家族葬を希望します。葬儀社は地元の◯◯セレモニーに依頼してください。お通夜は行わなくて構いません。」

財産メモ

「◯◯銀行 本店 普通預金 口座番号:1234567 に生活費用の50万円があります。用途を自由に使ってください。」

デジタル遺品

「LINEとFacebookアカウントは削除してください。Apple IDとパスワードは別紙を参照ください。」

家族へのメッセージ

「子どもたちへ。あなたたちの笑顔が私の人生の支えでした。自分らしく、誠実に生きてください。ずっと応援しています。」

テンプレート・無料ダウンロードの紹介

公的機関のテンプレート

自作テンプレート派へのアドバイス

  • 項目ごとに分けた表形式が便利
  • チェックボックスやフリースペースを活用
  • WordやGoogleドキュメントでの作成もおすすめ

よくある質問(FAQ)

エンディングノートは何歳から書くべき?

できれば60代から。ただし病気・事故は年齢に関係ないため、40代・50代からでも早すぎることはありません。

書いた内容を誰かに見せるべき?

可能であれば家族に場所と内容を伝えておくのが理想。信頼できる人に見せましょう。

内容を間違えたらどうする?

手書きなら二重線で訂正し、日付を入れて書き直す。デジタルなら最新版を上書き保存。

エンディングノートと遺言書の使い分けは?

財産分与や相続に関することは遺言書、気持ちや希望はエンディングノートで。

まとめ|エンディングノートは「書き始めること」が大事

エンディングノートは完璧に仕上げる必要はありません。最初の一歩を踏み出すことが一番大切です。思いついたことから、気楽にメモを取る感覚で始めてみましょう。書くことで「自分らしい最期とは?」を考えるきっかけにもなりますし、残される人たちへの最高の贈り物にもなります。

あなたの“これから”の安心と、“もしも”の備えのために、今日から少しずつ書き始めてみませんか?


エンディングノートの作成にお困りの方へ

「何を」「どのように」書けばよいか分からない…。頻繁に作成するものではありませんので、分からなくて当然です。

少しずつでも書いてみることで疑問点が生まれてきます。その都度ご相談いただいても構いません。お気軽にお問合せください。

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